祖国なき沖縄~百鬼夜行

「百鬼夜行」


生後九か月になる女の子を寝台にねかして、夫婦はでかけた。

子どもが起きて泣いていやしないかと夫婦の気は急に家の方に引かれた。


ふたりがベットの方を見ると、アッとふたりは気を失わんばかり仰天した。


ベットから下へ、あたりが一面の血の海であった。


病院で医者に診てもらうと、

子供は野犬なんかに食いつかれたのではなく、

九か月の女の子の陰部が無惨にも臍のところまで避けていた。




1945年、3月から沖縄へ上陸したアメリカ軍は、予言通りに、女をみつけると片っ端から強姦暴行を働いた。

一人の若い女性を数十名で暴行して殺してしまった事件は当時は決してめずらしい事件ではなかった。



戦闘砲弾の餌食や、がしをまぬかれた人々は捕らわれ次第いくつかの収容所に収容された。





戦争とは人間性を失うことを意味する。

そこには、人間の形をした動物が存在し、血をたらし歯をむき出しにしていがみあっている。

島の住民は惨憺たる生活苦と病苦の下にあえぎ、絶えず鉄の暴風の下にあってのたうちまわりながら、また米軍の暴虐行為の恐怖ともたたかわねばならなかった。



米軍の暴行は戦闘終了後引き続き各地で起こった

琉大事件を考える(仮称)

第一次琉大事件に関する情報を集めています。